インターネットと人権を知る

1. インターネットと人権

インターネット上で起こり得る人権侵害

インターネット上では、次のような人権侵害が問題となっています。

  • 誹謗中傷・悪質な書き込み
    例)根拠のない批判や侮辱、人格を否定する投稿
  • 差別的な表現や偏見の拡散
    例)人種、性別、国籍、障がい、性的指向などに対する差別的な投稿
  • 個人情報やプライバシーの不適切な公開
    例)氏名、住所、電話番号、勤務先などを無断で公開する行為
  • 写真・動画の不正公開や無断利用
    例)本人の同意なく撮影・公開・転載する行為
  • 虚偽情報(デマ)の拡散による名誉の侵害
    例)誤った情報を広め、対象者の社会的評価を下げる行為

これらは、精神的な苦痛にとどまらず、日常生活、学校生活、仕事、人間関係にまで深刻な影響を及ぼすことがあります。

また、インターネットの特性により、「情報が急速に広まる」、「投稿が長期間残り続ける」、「加害行為が軽い気持ちで行われやすい」という理由から、被害が大きくなりやすい傾向があります。

※インターネットの特性

インターネット上の情報は多くの通信機器やサーバーを経由して送受信されるため、その過程で思わぬ場所にデータが残ってしまうことがあります。

このような仕組みにより、情報が短期間で広範囲に広がる「拡散性」や、一度投稿した情報は完全に消すことが難しい「記録性」といった特性が生じます。

そのため、インターネット上で誹謗中傷やプライバシー侵害などの人権侵害が起きると、これらの特性が重なって被害が拡大するなど、問題の解決が難しくなることがあります。

インターネットの主な特性

情報は短期間で多くの人に広がる可能性がある。
⇒被害が一気に拡大することも

一度公開された情報は、検索や転載などにより長期間残ることがある。
⇒被害が長く続くことがある。

ネット上では匿名で投稿することができるため、投稿者が特定されにくい。
⇒責任感が薄れ、攻撃的な表現を書き込みやすい。

投稿した内容に対して、他人がすぐに返信やコメントをすることができる。
⇒やり取りが短時間で広がり、攻撃的な書込みが連鎖的に増えることがある。

被害に遭ってしまったら

インターネット上で誹謗中傷や個人情報の公開などの被害に気が付いた場合には、次のような行動が有効です。

  • 記録を残す
    投稿内容などや画面のスクリーンショットを保存するなど、被害の状況を記録しておきます。後の相談や訴訟などの手続に役立つことがあります。
  • SNSやサービスの利用規約を確認する
    多くのサービスでは、利用規約に違反する投稿を通報できる仕組みがあります。

※情報流通プラットフォーム対処法

インターネット上の違法・有害情報の流通・拡散への対応として、一定の要件を充足する大規模なプラットフォーム事業者を大規模特定電気通信役務提供者として指定し、削除対応の迅速化及び運用状況の透明化に係る措置を義務付けています。

指定された大規模特定電気通信役務提供者は、それぞれ、削除申出窓口・削除基準を公表しています。

  • 削除の要請や発信者情報開示の手続を検討する
    対処が必要な場合には、投稿の削除要請や発信者情報の開示等の手続をとることも可能です。
    弁護士を通して行う際には費用面などの負担が生じる場合もあるため、こうした手続を取るかどうかは状況に応じて検討する必要があります。

被害の内容によっては、ネットハーモニーをはじめ、相談窓口などの関係機関に相談することで、対処方法について助言を受けることができます。小さな不安でも結構です。被害が大きくなってしまう前に、まずはご相談ください。

人権侵害への主な取り組み

国・自治体・民間団体では、インターネット上の人権侵害に対して次のような取り組みを行っています。

  • 相談窓口の設置
    インターネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害について相談できる窓口を整備
  • 削除要請や発信者情報開示の支援
    被害者が自ら対応できるよう、相談窓口において手続きの案内や必要な支援を実施。
  • 情報モラルや人権に関する啓発活動
    講座や教材、学校教育を通じて、適切なインターネット利用を広める取り組みを実施。
  • SNS事業者などとの連携
    公的機関と事業者が協力し、不適切な投稿の対策や相談対応を実施。

こうした取り組みを知ることは、被害に遭ったときにどう行動すべきかが分かるだけでなく、自分自身が加害者にならないための意識づけにもつながります。

2. 情報流通プラットフォーム対処法について

インターネット上で誹謗中傷を書き込まれたり差別されたり、プライバシーを侵害されたりするなどの権利を侵害された場合は、プラットフォーム事業者に削除を要請することができます。

いわゆる「情報流通プラットフォーム対処法」(正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律)」及び省令に基づいて、大規模プラットフォーム事業者は、権利侵害に基づく削除の基準を明確にするとともに、削除を要請した場合にはその対応を7日以内に通知するなどの迅速な対応が義務付けられています。

違法情報ガイドラインについて

違法情報ガイドラインでは、どのような情報を流通させることが権利侵害や法令違反に該当するのかが例示されています。

※総務省「違法情報ガイドライン」はこちら

対象となる権利・利益
  • 名誉権
  • 名誉感情
  • プライバシー
  • 私生活の平穏
  • 肖像権
  • 氏名権
  • パブリシティ権
  • 著作権及び著作隣接権
  • 商標権
  • 営業上の利益
その他法令において、送信防止措置が義務付けられている情報
  • わいせつ関係
  • 薬物関係
  • 振り込め詐欺関係
  • 犯罪実行者の募集関係
  • 金融業関係
  • 消費者取引における表示関係
  • 銃刀法関係
  • その他
公表されている削除申出窓口・削除について

インターネット上の違法・有害情報の流通・拡散への対応として、情報流通プラットフォーム対処法では、一定の要件を充足する大規模なプラットフォーム事業者を大規模特定電気通信役務提供者として指定し、削除対応の迅速化及び運用状況の透明化に係る措置を義務付けています。

指定された大規模特定電気通信役務提供者は、それぞれ、削除申出窓口・削除基準を公表しています。

横スクロールできます
大規模特定電気通信役務提供者(参考)サービス名削除申出窓口及び削除基準
Google LLCYouTube【削除申出窓口】
法律に関するポリシー
【削除基準】
YouTube のコミュニティ ガイドライン
YouTube プライバシー ガイドライン
LINEヤフー株式会社Yahoo!知恵袋
Yahoo!ファイナンス
LINEオープンチャット
LINE VOOM
【削除申出窓口】
投稿削除申出フォーム
【削除基準】
Yahoo!知恵袋
Yahoo!ファイナンス
LINEオープンチャット
LINE VOOM
Meta Platforms,Inc.Facebook
Instagram
Threads
【削除申出窓口】
Facebook
InstagramおよびThreads
【削除基準】
コミュニティ規定
TikTok Pte. Ltd.TikTok
TikTok Lite
【削除申出窓口】
情報流通プラットフォーム対処法への対応
【削除基準】
情報流通プラットフォーム対処法への対応
X Corp.X【削除申出窓口】
日本におけるオンラインセキュリティに関する情報
日本の法律に基づき、個人の権利を侵害するコンテンツを報告する
【削除基準】
日本におけるオンラインセキュリティに関する情報
ルールとポリシー
株式会社ドワンゴニコニコ
(特定電気通信による
情報の流通によって発生する
権利侵害等への対処に関する
法律施行規則(令和4年総務省令第39 号)
第8条第6項各号に
定めるものを除く。)
【削除申出窓口】
各種通報の方法・トラブル対応
【削除基準】
ニコニコ規約
ニコニコ活動ガイドライン
株式会社サイバーエージェントAmeba ブログ【削除申出窓口】
安心安全なメディア・サービス
【削除基準】
Ameba利用規約
株式会社湘南西武ホーム爆サイ.com【削除申出窓口】
よくある質問
弁護士・法務関連の申請窓口
【削除基準】
削除依頼について
Pinterest Europe LimitedPinterest【削除申出窓口】
日本情報流通プラットフォーム対処法(IDPA)侵害申し立てリクエストフォーム
【削除基準】
情報流通プラットフォーム対処法

※参照:総務省「情報流通プラットフォーム対処法第 21 条に基づき届け出られた削除申出窓口及び削除基準 (一覧)」

削除要請でわからないところがあれば、まずはネットハーモニーにご相談ください。

3. まとめ

インターネットは便利な一方、誤った使い方をすると人権侵害が起こりやすく、被害が重大化する場合があります。

インターネットを利用するときは、「投稿する内容が人を傷つけないか考える」、「個人情報や写真の取り扱いに注意する」、「トラブルに気づいたら早めに相談する」といったことを意識することが大切です。

一人ひとりがインターネットの仕組みや特徴を理解することで、誰もが安心してインターネットを利用できる社会に繋がります。